カーテンのすき間からオレンジ色のやわらかな陽の光がにじんでいた。目覚めも驚くほどよくてそのまま支度をして家をでる。細々とした用事を片づけなければならないが、まずはスタバへむかい朝食をとることにした。
この日はショーケースにならんでいたハムチーズの石窯カンパーニュサンドが妙にうまそうに見えて自然と手が伸びた。ドリップコーヒーと一緒に注文し、窓ぎわの席へ腰を下ろす。

GWが終わったせいか、店内はいつもよりずいぶん空いていた。街もどことなく人が少ない。トレーニングウェア姿の学生たちと、スーツケースをころがす外国人観光客くらいしか歩いていなかった。
それでもスカッと晴れた青空が気持ちいい。冷たいハムチーズサンドも相変わらずうまかった。そういえば先月もこれを食べていたっけな。ぎっしり詰まったハムと厚みのあるチーズが朝のゆるやかな空腹をちょうどよく満たしてくれる。コーヒーもまろやかでコクがあり、カンパーニュによく合っていた。
店内のBGMではフェニックスの『Winter Solstice』が流れていた。光の軌道を描くようなメロディが心地いい。まるで夜の高速道路を永遠と走り続けているような、どこにも辿りつけないような。サウンドの奥で漂うフレンチタッチな反復がそう感じさせるのかもしれない。
ここ数日いろんな街を歩きすぎていささか疲労が残っている。1日33,000歩とか歩いていた。バカみたい。

こういう日が連日つづいていた。でもなんだかんだで楽しかった。移動が増えるぶん、必然的に新しい刺激にもさらされる。たまにはこうしておもいっきり活動する時間も必要なんだなと思う。
スタバで朝食を済ませたあと、そのまま公園まで散歩する。ひさしぶりに訪れた公園ではツツジはすっかり枯れてしまっていたけれど(別の場所ではまだ咲いていた)池のそばに咲く藤がちょうど見ごろを迎えていた。

紫色の花が幾重にも垂れ下がるようすを見て「まるで葡萄みたいだな」と思った。そのままずっと垂れ下がっていき水の中へ侵入してしまいそうな勢いだった。
1時間ほど散歩を楽しんだあとドトールでアイスコーヒーをテイクアウトして次の目的地へむかう。期間限定で販売されていたハワイ島の自社農園コーヒー「オハナブレンド」を飲んでみた。
南国の風を思わせるさわやかな味わいのコーヒーだった。




