千秋公園から風の松原へむかう途中に日本海は大雪で荒れ狂っていた。ゴオゴオと吹く風にあおられながら必死で運転に集中していると目の前にパーキングがあらわれる。せっかくなので荒れた日本海でも撮影していこうかと車をとめて外へでた。ビュービューと顔や全身をめがけて風と雪が飛んでくる。まともにカメラを構えるのすらやっとである。ファインダーをのぞきながら構図を決めてる余裕なんてなかった。とにかく顔が冷たい、というより痛いのだ。でもなんとか撮りたい絵を撮れたので大満足。千秋公園の時からすでにカメラが濡れまくりで壊れないか心配だったけど、まだなんとか大丈夫みたいだ。でも千秋公園の終わりぎわにカメラの挙動がおかしくなっていたのでちょっと心配。まあ結果的に風の松原を撮り終えたあとも大丈夫だったのでよかったが、もう少し雪の対策をした方がいいなと思った。でも雪の対策ってどうすればいいんだろう? ハンカチとかをカメラに被せながら撮影すればいいのかな? あとはこまめに拭くとか。そんくらいしか思いつかん……。
それにしても荒れた日本海の景色は「まさに」って感じがしてなんかいいなあ。もちろん穏やかな時もいいけれど、ここまで荒れ狂ってる日もめずらしく思う。遠くの方はかすんでいて、それを見てるとなんだか切なくなってくるんだけど、暖かい車内から眺めるぶんにはまあ美しい。
「このまま風に吹かれて雪と一緒にどこかへ飛ばされたいな」
そんなことをぼんやりと考えながら、僕は吹き荒れる日本海に目をうばわれていた。近くには巨大な風車がどっしりと居を構えており、こちらもまた上の方は雪でかすみがかっていた。