ジョン・リーチ マグカップ

買いもの

ジョン・リーチ工房のマグカップ

1920年。日本から帰英した陶芸家バーナード・リーチと濱田庄司はコーンウォール州にある海辺の街セント・アイヴスで日本式の登り窯「リーチ・ポタリー」を築窯する。これは西洋で初となる登り窯で、のちに松林靏之助により改修され現在も保存されている。そのバーナード・リーチの孫にあたる(陶芸家デイヴィッド・リーチの長男でもある)ジョン・リーチはバーナードやデイヴィッドのもとで修行をつんだあと、1965年に独立しサマセット州のマチェルニー村で工房を開設する。窯はバーナードの工房とおなじく3室の登り窯で最初の窯はバーナードの指導のもと築窯された。日本と深い結びつきがあるバーナード・リーチ。そしてその技術や情熱を受け継ぐジョン・リーチ工房で生みだされた作品は、いま僕の手もとにあり、日々の生活に安寧さをもたらしてくれている。僕はマグカップを購入したんだけどこれで飲むコーヒーは格別で、目になじむ色合いだったり心地よい重みや厚みだったり滑りにくいざらついた実用性だったりと、まさに完成された、でも唯一無二(焼きものだから一点一点かたちや模様が違う)の作品なので愛おしく思えてくる。身のまわりがこういうもので囲まれたらとても幸せなんだろうなあと僕は思う。あまりこういう感覚をいままで追求してこなかったから(新しい工業製品ばかりに目がいっていた)これからはこういう温もりある、例えるならヴィンテージ感のようなものを少しずつ収集していきたい。ところでこのマグカップは2サイズあって(SとMになるのかな?)僕はあまりにも好みのデザインだったのでどちらも購入した。どちらもすごく気に入っているのだけど使用頻度としてはSサイズの方が多いかな。わりと小ぶりなマグカップでコーヒーを長時間にわたり飲みつづけるときに調子がいい。僕はいつも自宅でコーヒーを淹れるときはカリタの300mlのサーバーに口もとまでたっぷり抽出するのだけど(そしてそれをカリタのシングルウォーマーに置いて保温している)だいたいこのマグカップだと3杯分に相当する。僕はコーヒーをゆっくり飲むタイプなので大きいマグカップだと後半かなり冷えてしまうのだ。こまめに温かいコーヒーを何度も注ぎながら味わうスタイルが性にあっているのです。さて僕のスタイルなんかは置いといて、このマグカップのすばらしいところは安定した美しいフォルムや焼色のグラデーションなどいくつもあるのだけど、実用面においてもすごくよく考えられている。外がわの表面はざらついていて持ったときに滑りにくく、それでいてこの乾いた風合いもまたすばらしい。一方で内部はつるつるしたコーティングが施されており、さらに外がわの上部(ちょうど口があたる部分)と持ち手の上部(ちょうど親指がのる部分)もつるつるしている。これがコーヒーを飲むときの口に運ぶまでの心地よさだったり口あたりのよさにつながっているのだろう。伝統的な風合いと温もりある佇まい、そして安寧さをもたらしてくれる実用性の数々。まだ購入して間もないけれどなぜか昔から使いつづけているような錯覚に陥ってしまうのは、リーチ家3代にわたり継承された日本とのつながりの“なにか”によるものかもしれない。

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