朝いつもどおり散歩をしているとどこからともなくパタパタパタととんぼがやってきた。周辺をみまわすとあちこちにとんぼが舞っている。でも朝露のせいなのか疲れているのか、はたまた寝起きなのか知らないけれどどこかぎこちない飛び方で、すぐにどこかへとまろうとする。秋のひゅんひゅん飛びまわるとんぼとは大違いだ。もしかすると暑すぎてバテているのかもしれない。それにしてもいつからとんぼがいたんだろう。ここ数日をふりかえってみたのだが、やはりとんぼを目にした記憶がない。ということは今日(これ書いたの1週間くらい前だけど)からとんぼが羽ばたきはじめたのだろうか。あのぎこちない飛び方は、朝露でも寝起きでも暑さでもなくたんにファーストフライトだったのかもしれない。いままでヤゴとしてのんびり(といったら失礼だけど)水中で暮らしていたのに、なかば強制的に大空で生活するように変態させられるのだから、とんぼという生きものは大変だなと同情してしまう。まあとんぼにしてみたら早く空を飛びたいと思っているかもしれないが。初夏はイマイチな飛び方でも秋になるころにはだいぶ上達しているに違いない。秋までいろんな天敵から身を守れたたくましい個体のみが、あのひゅんひゅん鋭く飛行する術を身につけるのだろう。もちろんこれは僕の勝手な想像ではあるけれど。それにしても今日のとんぼたちは休みすぎだな。あきらかに飛んでいるものよりとまっているものの方が目につく。まあ幸いカマキリみたいな恐ろしい天敵もいないしな。まだまだ地上が恋しい(ヤゴの名残り?)のだろう、きっと。