前日にけっこう雪が降ったのでおそらく積もっているだろうと予想してたら、案の定こんもり積もっていた。まあ雪景色が好きなのでうれしいことはうれしいが、やっぱり雪の上は歩きづらい。といいつつも1時間半たっぷり散歩したけれど。これだけ寒くて雪がてんこ盛りだと歩いてる人は僕くらいなもんで、この日はとてもおだやかな千秋公園だった。
急な坂道をてくてく登っていくと、右手からやわらかい朝日が差し込んできた。まわりの雪が徐々に輝きはじめ、樹木の影をくっきりと映し出してゆく。「きれいだな」と僕は思った。雪にかこまれた寒空の下で、こんな日の光を浴びれるのは早起きの徳の一つかもしれない。眩しさをこらえながら僕はカメラのファインダーをのぞき、その光景を夢中で切り取っていた。
少し前まで紅葉があんなにも盛んだったのに、今となってはその面影もさっぱりと消え失せてしまった。そして秋から冬へとバトンが渡され、次の春にむけて走りはじめたわけである。秋田の冬の本番は2月なのでまだ折り返し地点にすら達してないが、これだけ雪の世界に身をおくと、すでに桜が恋しくなってくる。千秋公園は桜の名所でもあるのでまわりを見渡せばそこらじゅうに桜の木が立っている。
「この木が花を咲かせるころは、もう2020年なんだな」
そんなことを思いながら、冬を耐え忍ぶさくらの木をぼんやりと見つめていた。そういえば弘前公園ではこの時期さくらのライトアップがやってるんだっけ。2017年にクラウドファンディングのプロジェクトではじまったんだけど、なんでも桜の木に積もった雪を桜に見立ててライトアップするらしい。ぜったい幻想的だよね、それ。でも大雪の日じゃないと見頃にならないのかな? タイミングがなかなか難しい気もするが、まあ天気予報をチェックしながらどこかの休日で行ってみようかな。
雪の上を慎重に歩きながら時折カメラを構えたりスマホを取り出したり、イヤホン操作をしたりと慌ただしいなかでも僕の頭の中は来年のことでいっぱいだった。千秋公園はあいかわらずおだやかな空気につつまれていた。
本日のお散歩ソング
Forest – jan and naomi