10月に入りまわりの景色が秋で色づきはじめると、もう毎年の恒例ではあるけれどスタバのオータムブレンドを飲みたくなる。べつに仔細な味を記憶しているわけじゃなく、たんに秋らしいパッケージに心が躍るのだ(もちろん味がよくなかったら買ってないが)。赤茶をベースにもみじが描かれたそのパッケージは、どこか散歩中に地面に落ちている枯れ葉をイメージさせる。袋を開けるとなんともいえないコーヒーの恍惚とした香りにつつまれた。さっそくミルでごりごり挽き、ゆっくりと丁寧にコーヒーを淹れる。コクがあって落ちついたバランスのよい味わいだ。秋の味覚とあうように設計された味だから、なにかそのようなデザートと一緒にいただくのもこの時期ならではの楽しみである。またほのかにドライフィグのような甘みも有しているので、ただ単に苦いだけじゃなく奥行きを感じさせてくれるあたりも「秋らしくていいな」と思える要因の一つです。ちなみにドライフィグとはドライいちぢくのこと。最近いちぢく食べてないな……。栗とか芋とかナシとかじゃなくていちぢくをチョイスするあたりにセンスのよさを感じる。そういうのは直接口にしたりデザートにふくまれていることが多いから「縁の下の力持ち」的な存在に徹しているのかもしれない。しばらくは毎日のおともにオータムブレンドを持っていこう(いつもタンブラーにコーヒーを淹れて仕事に行っている)。少し肌寒いくもりの日なんかに、これを自然のなかでゆっくり味わってみたい。