今朝散歩をしていたら目のまえの地面になにやらカサカサと動くものを発見し、足をとめてしゃがみこみじっとその物体をのぞきこんでみるとオケラだった。なんだオケラか……といささか期待はずれ感につつまれかけたけど、よく考えてみたらオケラなんてそれこそ何十年ぶりだよとつっこみたくなってしまった。僕はオケラという存在を今のいままで完全に、すっかり忘れていたことに申し訳ない気持ちになる。まあでもここでこうして再会することができたのもなにかの縁なわけだし、記念に一枚撮っておくかとスマホでパシャリと(正確には2枚撮りました)記念撮影をさせてもらった。うん、よく撮れてるよオケラ君。オケラは僕とちがって朝から忙しそうに、ぎこちなくせっせと草むらを歩いてたんだけど、記念撮影を終えたらすぐにまたぎこちないほふく前進でどこかへと去っていった。まるで「おめえにかまっている暇はねえんだよ」と言わんばかりに、パワフルなほふく前進で(でもぎこちない)僕の目のまえをとおりすぎていった。さようならオケラ君。またいつかどこかで……。つぎに再会できる日はまた10年後とかになるのかな? それにしてもオケラって地面を這ったり土を掘ったり水面のうえを移動したり空を飛んだり、なんともスーパーな生き物である。こんなオールマイティーな生き物ってオケラくらいじゃないだろうか。もっと世の中から注目を浴びてもよさそうだけど、意外と存在感が薄いよな(僕自身も存在を忘れてたくらいだし)。というわけで不肖わたくしがささやかではあるけれど、ここでオケラに光をあてるべく、せっせと今この文章を書いているというわけです。僕もオケラのように穴を掘ったりプールに泳ぎに行ったり……なんてスーパーな活動は叶わないけど、せめて散歩くらいはオケラに負けないようにスムーズに前進していきたいと思っている。