雑記

アイランド

この日もNetflixをあさっていたら面白そうな映画を発見したので詳細を確認してみると監督にマイケル・ベイが記載されていた。僕はおもわずむかしみた『ザ・ロック』という映画を思い出し、またあのような派手なアクション映画を体感したくなりさっそく観ることにした。そういえばアルマゲドンもマイケル・ベイ監督だったっけ。アイランドはクローン問題をあつかった作品で主人公のリンカーン(ユアン・マクレガーです)もそのクローンの一人として描かれている。そしてあたりまえだけどオリジナルも存在し、こちらもそっくりそのままリンカーンであり、つまりユアン・マクレガーが1人2役を演じているわけだ。そもそもどうしてクローンが作られているのかというと、一部の裕福な人たちの臓器提供のために存在している。そしてクローンたちは徹底管理された安全で快適なコロニーで生活しており夢の島「アイランド」へ移住する目的のために生きている。地球は大気汚染され外に出ることは叶わないが(と、クローンたちは刷り込まれている)ゆいいつアイランドだけは汚染を免れていて毎日行われる抽選に当選した人だけがその島への移住が許される。しかしあるささいな出来事をきっかけにリンカーンがその事実に気づき、ちょうど当選を果たしていた恋人(になるのかな?)のジョーダンを連れだして施設から脱走する。とまあそんな映画なんだけど、後半は期待どおりド派手なカーアクション満載でスピード感あふれる逃走劇にハラハラドキドキさせられる。自由を求めてあらがう姿はまさに人間そのものだ。僕はこの映画を観たあとに、ふとスワンプマン(沼男)のことを思いだした。1987年にアメリカの哲学者であるドナルド・デイヴィッドソンが考案した思考実験だ。ある男がハイキング中に不運にも雷に打たれて沼のそばで死んでしまう。そのとき別の雷が沼へ落ち、偶然にも泥と化学反応を起こして死んだ男とまったく同一の男を生成してしまう。これは原子レベルで死ぬ直前の男と同じ状態で生成され、姿はもちろん記憶まで完全にコピーされている。そしてその男は何事もなかったかのように自宅へもどっていき、死んだ男が読んでいた本のつづきを読み、眠り、翌朝ふつうに職場へと出勤する。はて、スワンプマンは死んだ男となにが違うのだろうか? おそらく世界は、彼のまわりは何ひとつ変わることなくいつもどおりの日常を進行させるだろう。そしてクローンもまた、記憶さえ完全なコピーとまではいかないにせよオリジナルと同一のふるまいをすることで現代社会にとけこむことができるかもしれない。自分の「存在理由」を知らされた(もしくは気づいた)クローンは、はたして自分で「存在意義」を見い出してスワンプマンと化すのだろうか?

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