スタバでおいしいコーヒーを飲みながら朝のおだやかなひとときを過ごしたあと、いつもどおり公園まで（というかおもに公園内を）散歩する。おそらく桜が見ごろを迎えているはずだと予想していたとおり公園内の樹々には見事なまでにピンク色の花々が広がっていた。またそれに負けないくらい出店もたくさんならんでいた。僕は桜まつりはもう少し先だと思ってたんだがどうやらこの日だったみたい。それともここから1、2週間つづくのかな？ それにしても桜やら出店やら観光客やら、このシーズンになると公園の景色が一変して朝からだいぶにぎやかになる。僕はどちらかというと朝は静かな場所で過ごしたい派なので出店がならんでいるエリアを避けてあまり人気のいないところをのんびり桜を眺めながら、音楽をイヤホンで聴きながら春の散策を楽しんでいた。桜だけではなくスイセンや薔薇やツバキなどたくさんの種類の花たちがうれしそうに春を祝福している。ふと空を見上げるとそこには分厚い雲がどっしりと腰を据えていた。あいにくの天気ではあるけれどまだ雨が降らないだけマシかもしれない（予報では午後から雨マークだった）。それでも時おり雲のすきまから光がさす瞬間もあり、それはそれで抒情的な朝だった。広場までもどってくると先ほどよりも人の勢いが増していた。牛串を食べながら歩く少年たちや犬を連れて歩くおじいさん、それからスーツ姿の女性など幅広い年齢層の人たちが早朝から活動していた。出店にはやきそばや金魚すくいやバナナチョコなどオーソドックスなものからさつまスティック、チーズハットグ、ふりふりポテトといっためずらしいものまでいろいろ揃っていた。早朝ということもあり車から機材をおろしていたり台車で大量の荷物を運んでいたり店によってはまだ準備中のところも存在する。客は客で数ある店をめぐるのに忙しく（もちろん桜も観賞せねばならない）ここで暇そうにしている人間は僕くらいじゃないかという気がしてきた。帰り道では歩道でたくさんの鳩たちがせわしなくエサを求めて右往左往していた。そのなかにはこのまえ見かけたあの律儀に横断歩道を渡る白い鳩の姿もあった。もしかすると違う鳩かもしれないけれど、でも同じエリアにいるのだからきっと同一なのだろう。なんだか知り合いに出くわしたような不思議な安心感が芽生えてしまった。僕はこれからちょっとだけ、この鳩を気にかけたくなった。鳩の定点観察というのもおもしろいかもしれない。
