歌舞伎町タワーにある109シネマズという映画館ではなにやら3スクリーンで映画を鑑賞できるらしく、すごく気になったのでそれを体験しに行ってきた。ふつうは正面スクリーンしかないが、ScreenX(という名称)ではそれにくわえて左右にもスクリーンが存在し、目のまえに広がる270°の範囲で映像を楽しむことができる。そんなものを体験したらもうほかの映画館に行けなくなってしまいそうな気がしたが、まあおおむねそのとおりで、そのあとにみた映画館(こっちは一般的なやつ)ではだいぶもの足りなさを感じてしまった。さいわい中盤あたりから気にならなくなったけど、それでも音の解像度とかもやっぱり全然違っていて「ああ、これをScreenXで鑑賞できたらよかったのにな」という思いに何度も駆られた。ちなみにScreenXのサウンドシステムは坂本龍一氏が監修しており、どこまでもリアルに忠実な音質で、ベールを何枚もめくったようなものすごい解像感だった。それにあわせてあの3スクリーンの大迫力なシーンが目のまえで展開されるわけだから、見ていてそりゃあもう気持ちよかった。今回はミッションインポッシブルを鑑賞したんだけど、AIによるあの脅威はわりと現実に起こりうる問題のようで恐ろしかった。まあ内容はくわしく語らないが、とにかくトムクルーズ渾身のアクション演技は最高だった。還暦を過ぎたとはちょっと信じられないレベルのクオリティだった。とくにティザーでも大々的に流れていた、あの崖からバイクでダイブするシーンでは、もう「キ、キ、キターーーー!!」って感じで(3スクリーンによるダイブはもはやリアルを超越していた)感無量だった。もうこのシーンを見れただけで6,700円の半分は回収できたような気がする。あとはカーアクションなんかもスリリングでユーモアにあふれていて面白かったし、ヴェネツィアの橋の上でイルサとガブリエルが戦うシーンなんかはとても絵になっていて美しかった。僕はこの橋のシーンが一番心に残ったかな(もちろんイーサンの崖バイクダイブも違うベクトルで心に焼きついたが)。そんなこんなであっというまの2時間半だった。映画を鑑賞したあとはS席を購入した客だけが使えるラウンジでゆっくりくつろぎながら雑談を楽しんだ。モダンなラウンジではドリンクやおしぼりが提供され、僕はコーヒーを注文した。コーヒーにはちょっとしたポップコーンも添えられていた。塩味とキャラメル味の2種類で、何年かぶりに食べるポップコーンはなかなかうまかった。目のまえには新宿の景色が広がっており、窓のそばまで寄ってみると足がすくむくらいに高かった。おそらく夜は夜景がきれいなのだろう。そういえば映画をみるまえにもラウンジが使えるんだけど(ここもドリンク飲み放題)こちらはS席以外にも使えるのでここよりも人がたくさんいた。つまりScreenXのS席を購入すると「ラウンジ → 映画鑑賞 → ラウンジ(S席のみ使用可)」という流れになるので半日はつぶせる。しかもドリンクにも困らないしソファも極上だしBGMも(もちろん坂本龍一氏が手がけているはずだ)心地いいし景色だって圧巻だ。ScreenX最高すぎる。ただ残念なのはコンテンツがいささか限定されすぎている。もっといろんな作品が上映されていたらいいのにな。まあ年に数回しか映画館に足をはこばない僕としてはこのくらいがちょうどいいのかもしれないが。つぎはグランツーリスモ(9月15日公開だそうです)をScreenXで観たいなあ。