よく駄菓子コーナーで目にしてたんだけど、なにげに食べたことはなかった。でもどうして今になってこれを購入したのかさっぱりわからない。たしかAmazonでお菓子をほいほいカートにつっこんでいてその流れでたまたま表示され、ほいっとこれまたカートにつっこんだ気がする。自分でなにを買ったのかもっとしっかり把握しなきゃダメだな……。そんな反省をふまえながらモロッコヨーグルの箱を手にとりぼんやりとパッケージを眺めてみると、象さんが嬉々としてモロッコヨーグルに手をのばし、もとい鼻をのばして口に運ぼうとしていた。どこからともなく「パオーン」という鳴き声が聞こえてくる。アフリカのモロッコ王国にはやはり象がたくさん棲息しているのだろうか。そしてやはりモロッコヨーグルを好んで食べているのだろうか。僕はアフリカに行ったことはないけれど、熱気につつまれ乾燥した大地が広がる一帯に、巨象が子象を引きつれて「パオーン」と叫びながら優雅に歩く姿を想像せずにはいられなかった。さて、箱を開封するとずらりとならんだ可愛らしいモロッコヨーグルが登場する。これには少々圧倒された。なぜならこれ、下にもう一段おなじようにならべられているからだ。
どうやら僕は買う量をまちがえたかもしれない。箱のすみっこには小さな木製のスプーンが束になって添えられている。こんなに小さなスプーンを見たのは初めてだ。なんてかわいいスプーンなんだ。モロッコヨーグルの容器も小さくてかわいいが、僕はスプーンの方になぜか引かれてしまった。とりあえずモロッコヨーグルを1個とりだしてそのスプーンで食べてみる。やわらかくて少しシャリ感もある不思議な食べものである。甘いけどフレッシュな、味もなかなか個性的だった。ふつうにおいしいしガツガツ食べたいんだけど悲しいかな、いかんせん食べづらい。容器の形状からスプーンの細さやサイズまで、とにかくうまくすくえないのだ(僕がただ不器用なだけかもしれないが)。そりゃ象さんも容器ごと口に運びたくなるよなと思った。そんな細々としたスプーンテクニックでなんとか3個ほど食べ終わり、ふたたび箱を閉じて棚にしまう。棚の奥でも象さんは鼻をのばしてモロッコヨーグルをつかみ離さなかった。そういえばこれ全部で何個入りなんだろうと気になりもう一度箱を引っぱりだして調べてみると60個入りだった。「あたりが出たらもう1個」とも記載されていた。僕はもしあたりが出たとして、もう1個もらうためにどれほどの手順が必要なのかを考えてみた。でもどれだけ考えてもそのために割く労力や時間と対価は割りにあわない気がした。というかそもそもどこに「あたり」が書かれているのかすらわからない(そしてそれを調べるつもりもない)。なんだかいろいろ愚痴っぽくなったが普通においしいしエンタメ要素も含んでいて子どもから大人まで楽しめる駄菓子だと思います。スプーンのすくいづらさも実は没頭させるための策略かも?