スタバでホッとひと息ついたあと、朝の散歩をするために千秋公園へとむかう。雪はいったんおさまったけど、途中から猛烈に降ってきて散歩にも気合いが入る。僕はスキー場でもそうなんだけど、なぜか吹雪いていた方がやる気が起こる。なんとなくわくわくしてくるのだ。とはいえ寒いことには変わりなく、快適な散歩とはいいがたい。手袋もまた忘れてしまったし、かといってポケットに手を突っこんでいるとすべって転んだときに危険極まりない。解決策としては袖のなかに手をすっぽり引っこめるしかないのだけど、これだと肩をすくめるようにして歩かなければならないので少し微妙。やっぱり手袋がないと冬の散歩はダメだなあと後悔しながらせっせと雪道を歩いていた。
そういえばこの日はカメラも家に置いてきた。あまりにも雪が降ったり風がびゅーびゅー吹いたりしていたからだ。そんなわけで写真はすべてiPhoneで撮影。アウターのポケットに入れておけば「おっ」と思った瞬間にさっと取りだしてパシャっと撮れる。ある意味最強のスナップシューターといえる。でもさっと取りだすまではいいのだけど、そのあとの動作(カメラアプリを起動したり)にもたつくのでその間に手が凍えてしまう。最初の数枚は気にならないが、ずっとこれを繰り返しているとさすがにつらい。ここにデジイチの優位性があるのだろう。写り自体はiPhoneでも十分だけど、やはり小気味よく撮れるレスポンス性というのは過酷な状況下であればあるほど重要だ。そんなことを強く思いながら、家に置いてきたEOS R6が恋しくなるのだった。次の休みは大雪だろうが持ってこよう。もちろん手袋も忘れずに……。
ふと見上げると枯れ果てたあじさいに雪がつもっていた。なんだかトドメをさされたようでかわいそうな気持ちになる。白い外壁の久保田城は雪がふる空といい感じに一体化していつも以上にきれいだった。工事現場にはあまり似つかわしいとはいいづらいクリスマスツリーがひっそりと佇んでいた。もしくは過酷な現場だからこそ、このような心温まる象徴的ななにかが必要とされているのかもしれない。
公園のお堀には先週と同じ場所にカモがのんびりと居座っていた。寒さ極まりない日でも、水のなかをたくましく泳ぐ姿に感服せずにはいられない。風と雪でちょっぴり心が折れそうだったけど、カモの勇姿のおかげでこの日も1時間以上歩くことができた。来週もまたがんばれる気がした。