できるだけ苦めのコーヒーを求めていたので今回はひさしぶりにエスプレッソローストを購入した。イタリアンローストとフレンチローストも捨てがたかったけど、それはまたつぎの機会にとっておこう。それにしてもエスプレッソローストの豆は艶々していて美しい。このままつまんで食べたらきっとアーモンドチョコレートみたいな甘くてカリッとした至福なひとときを味わえるんじゃないかと妄想してしまう。もちろんそんなことはしないのだけど、これをガリガリと粉砕していくのはいささか気がひける。含水量が多いせいか、わりとかんたんな力で挽くことができた。味は期待していたとおり濃厚なコクと苦みに満ちていた。ほんのりキャラメルのような甘さもありデザートと一緒にいただくコーヒーとしても優秀な気がする。4月に突入したというのにまだ寒いこともあって、こういう苦味に振ったコーヒーはもうしばらく活躍しそうだ。でも天気予報を確認すると来週からはけっこう気温が高くなっている。そうなってくると散歩も気持ちいいだろうし、もう分厚いアウターもいらなくなりそうだなと思った。ぼちぼち梅の花も咲きはじめているみたいだし、もう一週間くらいの辛抱かもしれない。ただあたたかくなるのはいいけれど花粉が飛び交うのはちょっとキツい……。そう考えると一難去ってまた一難という連鎖が永遠とつづいている感覚におちいってしまう。動物や植物たちの縄張り争いみたいにすっぽり空いた快適な期間を「我こそは」と言わんばかりに不快な物体Xで埋められる。誰かの不快は誰かの(あるいは何かの)快適であるように、この世界は快適性の奪いあいなんじゃないかと疑ってしまいたくなる。人対人のように話しあいで解決できればいいのだけど、杉の木にむかって「せめて半分くらいの花粉量に抑えられませんかねえ?」なんて意義を申し立てても不毛でしかない。まあおとなしく花粉が出尽くすのをじっと待つしかないか。ああハワイに行きたい。ラニカイビーチのきな粉みたいな砂浜で日光浴をしながらたまに海に入り、そっとウミガメを見守りたい。そしてそのあとワイキキにもどってにぎやかな夕暮れどきのビーチを歩くのだ。花粉なんてどこ吹く風。ハワイ。なかなか悪くない選択肢のように思う。
