段階フィルターというとLightroomでもおなじみの機能ですが、PhotoshopのCamera Rawフィルターの中にも同じ機能があります。「わざわざPhotoshopを使わなくても……」と思う気持ちもありますが、こちらでは段階フィルターにマスクを使って部分補正を適応できるのがポイントです。マスクの種類にはカラー、輝度、深さの3つが用意されていますが、今回は輝度範囲マスクを使ったやり方を紹介します。ちなみに、これらの部分補正は段階フィルターだけでなく補正ブラシや円形フィルターにも使えるので、覚えておくと応用できるシーンが広がりとても便利です。
範囲マスクから輝度を選択
まずは「フィルター」から「Camera Raw フィルター…」を選択します。Macでのショートカットキーは「shift + command + A」です(Winはshift + ctrl + A)。
Camera Rawを起動したら上のメニューから段階フィルターを選択します。
そして、適用したい範囲を指定します。ここでは空の部分に指定しました。
上から下へ引っ張るかたちで段階フィルターをかけたので、通常では全体的に上から下へ行くにつれて効果が弱まっていきます。例えば、この状態で露光量を下げると平均的に暗くなってしまいます。しかし、時には「明るい部分だけに効果を適用したい」という場面もでてきます。そんな時に役立つのが輝度範囲マスクです。Camera Rawの画面右下に「範囲マスク」という項目があるので、ここから「輝度」を選択します。
輝度を選択するとその下にいくつかの設定項目が表示されます。この中にある「輝度範囲」のスライドバーを動かすことで、任意の輝度に基づく段階フィルターを適用できます。
試しに輝度範囲を「60」にセットしてみます。すると、明るい部分だけに効果が適用される状態になりました。
ただ、これだとどこに適用されているのか少しわかりづらいですよね。そこで、キーボードの「option(Macの場合。WinだとAlt)」を押しながらスライドバーの矢印をクリックすると、下記のようにマスクの範囲が視覚的に確認しやすくなります。
自分の狙ったところにしっかり範囲指定されていれば、あとは好きな補正をかけてあげるだけでOKです。ここでは空の明るい部分をハイライトで少し暗くしてみました。通常だと全体的に暗くなってしまいますが、輝度範囲マスクを使うことで暗い部分はそのままにして明るい部分だけを暗くできました。
段階フィルターをかける前と後を比較してみるとこんな感じです。左が段階フィルターをかける前、右がかけた後になります。
明るさが抑えられたことで、雲の陰影が自然なかたちでクッキリと浮かびあがりました。このように、輝度範囲に基づく段階フィルターを活用すれば、余計な部分まで補正がかかる心配がありません。レタッチを必要最小限に抑えたい人にはオススメです。冒頭でも触れましたが、輝度範囲マスクは段階フィルターだけでなく、補正ブラシと円形フィルターにも同様に使えます。
レタッチをしていて白飛びを抑えなければならないシーンはわりと頻繁に出くわすので、Camera Rawを使っている方はぜひ試してみてください。