雑記

にりんとごりん

毎日いろんな夢を見るけどその多くはよく覚えていなかったりとりとめのない夢だったり、しょうもないシーンだったりする。でも昨日の夢はなんだか妙に胸が締めつけられる内容だった。そこはとある自宅で戸建ての家にしてはどこかさっぱりとした無機質な場所だった。そこの玄関の前にあるちょっとした広場(床はコンクリートでまわりに植物らしきものは一切ない)で、僕はなぜか急須に茶葉をつめてお湯をそそいでいた。その様子をじっと眺めているとだんだんお茶の成分が滲みでてきてあっというまに急須のなかのお湯がこげ茶色に変化した。そして薄い灰色の湯呑みにできあがったお茶をうつし終えると目的もなくあたりをうろつきはじめる。ところどころに2、3人がかたまって雑談をしている。人々はみな黒いスーツに身をかため、そのなかにはちょっとした知り合いなんかもいて軽く会釈をしたり立ちどまって会話に耳をかたむけたり(でも内容はわからなかった)した。そんな何をするともなくうろついていると今度は急にリビングのシーンに切りかわった。そこには亡くなった祖母が正座をしていて微笑んでいる。そして僕にむかって「にりんは持ってきたか?」とたずねる。僕が「にりん?」と質問すると祖母は両手をあわせて(片方の親指に数珠がかけられていた)じゃらじゃらと擦りながら「にりんだよ」といった。にりんとは数珠のことだろうか。そして奥の引き戸から祖父が入ってきて「次から墓所にも行ってくれ」と頼まれた。つづけて「どれ、一緒に墓所に行くか。網にごりんをかけなきゃいけない」といった。僕はごりんについて頭をめぐらせてみたけれど、それが何を意味するのかさっぱりわからなかった。そもそも網についても理解不能だ。でもその件について僕は祖父になにも質問しなかった。なにから説明してもらえばいいのか少し混乱していたのだ。夢はそこで終わってしまった。ベッドの上で僕は祖母のなつかしい微笑みを思いかえしていた。にりんとごりんとは一体なんだったのだろうか。網とはどういう網なのだろうか。こげ茶色に染まった急須のなかのお湯が頭から離れない。

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