朝早くからどこかのカフェでおいしいコーヒーでも飲みたいな、と雪が降るなかいそいそとスタバへ向かうことにした。店に入るまえにiPhoneでSuicaの残高をチェック。よし、4千円もあるしばっちりだ。レジでいつもどおり「ドリップのホットのショートをください」と店員に伝える(あとコーヒー豆も買いました)。そしてこれまたいつもどおりApple WatchのSuicaでピッとやる。
するとどうだろう。4千円あるはずなのに、残高不足と言われてしまった。僕はいったいどれほどの高級豆を買ったというのか。と、レジの画面をみてみると1,863円という数字が。そりゃそうだ。そして現在のSuica残高が1,783円。つまり80円が不足しているというわけです。「どうもすみませんでした」とすぐさま現金で不足分の支払いを済ませる。恥ずかしさと申しわけなさと、店内に流れるラストクリスマスの高揚感が混ざりあい、僕は能面のような表情で足早に席へと向かうのであった。
大テーブルに腰をおろし、僕はもう一度iPhoneのSuicaをチェックしてみることにした。やはり4千円から変わりはない。続いてApple WatchのSuicaをみてみる。
ゼロだった(さっき使ったからね)。
なるほど、そもそもiPhoneに入っているSuicaとApple WatchのSuicaは別ものなんだな。僕はてっきりiPhoneでチャーシしたものはApple Watchにもリアルタイムで反映されるとばかり思い込んでいた。だからこの問題は遅かれ早かれどこかで発生していたことだろう。その後、Apple Watchからもチャージできることを知り、その場で5千円をチャージした。これでまた当分はApple Watchで支払えるな。やれやれ。おいしいコーヒーが僕の安堵な気持ちをあと押ししてくれた。
ふと店内の音楽に耳をかたむけてみると、今度は女性版のラストクリスマス(EDMっぽいの)が流れていた。ラストの重みは何処やら……と思ったけど、そういえばこれは「去年のクリスマス」って意味だったな。僕はなぜか「もう一回、もう一回だけ!」と言いながらクレーンゲームに熱中するある人のことを思い浮かべていた。