朝起きるのが若干めんどくさかったけど、このまま二度寝したらなにものこらない一日になりそうだったので(でもよく考えたらそんな日があってもいいように思う)無理やりベッドから起きあがる。外はどんより曇っており予報では午後から雨らしい。でも朝のカフェと散歩中は降らなそうだからいそいで支度をして家を飛びだした。朝の新鮮な空気とやわらかな光につつまれると「今日も一日がはじまるのだな」とフレッシュな気持ちになった。しかし外は肌寒い。車に乗りこみ外の気温をチェックしてみると16度と表示されていた。どうりで肌寒いわけだ。先日まで居座りつづけていた残暑はどこへいったのやら。でもまあこれでようやく秋らしくなってきた。もう汗まみれになったりクーラーをたっぷりあびたりアイスコーヒーをがぶ飲みしたり映画館に逃げこんだりする必要はないのだな。セミの大合唱もアスファルトの蜃気楼もじりじりと焼けるような日差しもすっかり消えてなくなってしまった。それはもうはるか遠いむかしの記憶のように感じる。どれだけハードな夏だったとしても、いずれは美化され頭の片すみに追いやられる。よくも悪くも人は目のまえのことでいっぱいになるらしい。でもきっと、それはいいことなのだろうな。スタバに到着するとすでに5人くらいの客がのんびり食事をとっていた。きのこクリームの石窯フィローネとドリップコーヒーを受けとり僕も長ソファの席に座り朝食を食べる。あたためられたフィローネはカリッとしていて中のモッツァレラチーズがとけだし奥深い食感をもたらしてくれた。きのこはマッシュルームとしめじの2種類でやわらかいローストチキンにコクのあるクリームソースがたっぷりとはさみこまれている。秋の味覚を温もり感あふれる一品に凝縮させたスタバの力作といったところだろうか。前回のパンプキンスコーンと同様にこちらもひかえめな味つけだった。秋に過剰な刺激を求めてないのでこのくらいがちょうどいい。ドリップはこの日コロンビアの豆が使われていた。最近コロンビア率が高い気がする。ふと店内のBGMに耳を傾けてみるとBANNERS & Lily Meolaの「Perfectly Broken(Duet Version)」が儚げで美しく流れていた。先日ブログで「秋っぽい音楽ってなんだろう?」と考えたけど、これはとても秋っぽく感じる。Spotifyのプレイリストに追加しておいた。この調子で秋っぽい音楽を少しずつ集めていこう。新しい音楽との出会いはいくつになってもいいものだな。朝食を済ませたあとはいつもどおり公園を散歩した。空はあいかわらず灰色で風が少し冷たかった。柳の木の枝が静かにゆれており(まるで手まねきしているようだ)その真下をゆっくりとくぐり、それからそのやわらかな枝ぶりを仰ぐ。空はいまにも降りだしそうな気配だった。
