あけましておめでとうございます。2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年一発目のスタバは新作のアールグレイのスコーンとラテでいくことにした。なんというか、この華やかな見た目が(ラテの方ね)正月の気分をもりあげてくれそうだったからだ。スコーンとコーヒーの組みあわせも捨てがたかったのだけど、さすがに紅茶とコーヒーではお互い主張しあいそうだったので今回はパス。かわりに朝コンビニでコーヒーを買って運転中に飲んできた。正月だけど意外と道路に雪がなくて走りやすかった。きっと先日の雨でシャバシャバになり、それが除雪されてきれいになったのだろう。でも雪はまだらに降っていて、やはりいつもの正月の風景に近かった。新作のアールグレイはどちらも香り高くて親密さをもちあわせていた。温められたスコーンは口のなかでほろっとくずれ、すっと自然にとけていく。ほどよいしっとり感とさっくりしたコントラストがたまらない。これにアールグレイのラテをあわせれば、まるで神話的世界に迷いこんだかのようなふんわりした気分を堪能することができる。味もいいし視覚としても楽しめて、アールグレイ同士にしてよかったなと思った。このフラペチーノ版もあるのでつぎはそちらも飲んでみたい。上にふりかけられた紫色の花びらみたいなものはフィアンティーヌというそうです。フランス語で「薄く焼いた」を意味している。クレープ生地やパイ生地をうすく伸ばして焼いてくだいたお菓子とのこと。時間が経つと茶色くなっちゃう(ラテ色に染まってくる)のがいささか残念ではあるけれど、それはそれで夏に咲いた花が冬になって枯れてしまう一連のサイクルを表しているみたいで興味深かった。見た目の華やかさこそ失われてしまうけど、少し冷まったおかげで甘さがよりきわだつようになってくる。スコーンが素朴な味わいだけにこの甘さは正直うれしい。ふと店内のBGMに耳をかたむけてみるとピンク・フロイドの『Wot’s… Uh the Deal?』が流れていた。まったりと、やさしく語りかけるような歌声で。「そして私は年をとったように思う」。外では雪がちらつきテーブルにはアールグレイの香りが密かにただよっている。すばらしき正月、すばらしき世界。今年はこういうおだやかな時間に少しでも長く身を沈めていたい。なにをするともなく、ただ静かに、風の赴くままに。