写真を撮ったあと、例えば「桜の花の色だけをもっとピンクにしたい」「木々の葉だけを鮮やかにしたい」なんてこと、ありませんか? とはいえ、Photoshopでその色の部分だけを選択するのは難しそう……。と思っている方にオススメなのが「色域指定」です。今回は色域指定でサクッと狙った色の部分のみを補正するやり方をご紹介します。
選択しづらい部分は色域指定を使う
下記の画像を見ると、なんだか白っぽい桜で、おもわず「オオシマザクラ?」なんて思う方もいるでしょう。
ほかの部分はこのままでいいから、花びらの部分だけを補正したいと思うはず。
そこで役立つのが色域指定です。特定の部分を補正するためには選択範囲をつくる必要がありますが、桜の花や木々の葉などは選択しづらいです。
こういう部分は色域指定を使えば意外と簡単に狙いどおりの選択範囲を作成できます。
Photoshopの上部メニューから「選択範囲」→「色域指定」を選択します。
スポイトツールを選択した状態で、補正したい部分をクリックします。許容量で範囲の調節が可能です。
範囲を選択すると下記のように網がかった状態になります。
続いて、今回は花の色を補正したいので上部メニューから「レイヤー」→「新規調整レイヤー」→「色相・彩度」を選択します。
右側に属性パネルが表示されるので、色相や彩度を調節しながら理想の色に近づけていきます。
色を補正すると、目的の色以外のところまで変わってしまう場合があります。例えば、下記のような部分。
こういう本来のままにしておきたい部分は、ブラシを使えば簡単に元に戻せます。レイヤーマスクは白黒なので、ここでは白い部分が補正されたところ、黒い部分が補正されていないところになります。
これをしっかり確認したい場合は、レイヤーパネルにあるレイヤーマスクサムネールをoptionを押しながらクリックします。
すると、このように画像が白黒で表示されます。これでどこが補正されているのかが一目瞭然ですね。元に戻したい場合は、再度optionを押しながらクリックすればOKです。
それでは、ブラシを使って本来の色に戻していきたいと思います。ブラシの種類は「ソフト円ブラシ」、不透明度と流量は100%にしておきます。
直径は任意の値で、硬さはエッジのぼかし度なので、そのときのやりやすい値でいいと思います。また、描画色は黒に設定しておきます。
これで元に戻したい部分を塗りつぶしていけば完成です。
見比べるとちゃんと桜の花の色だけ補正されているのが確認できるかと思います。
というわけで、以上が色域指定の使い方になります。今回は分かりやすく「色相・彩度」の補正だけを取り上げましたが、同様に「明るさ・コントラスト」や「カラーバランス」などさまざまな調整レイヤーをかけることができます。
複数の調整レイヤーをかける場合は、選択範囲をつくった直後にレイヤーパネルの下にあるアイコンの中から新規グループを作成し、レイヤーマスクを追加してあげれば、管理もしやすくなります。
「色」を基準にした選択範囲のつくり方を覚えれば、いろんなところで活躍してくれるので、まだ使ったことがない方は是非ためしてみてください。