赤とんぼという名前をむかしからよく聞くけれど、いざ真っ赤なとんぼを探そうとなると実際のところそう滅多にお目にかかることはない。うっすら赤みがあればいい方で、だいたい褐色のやつだったりグリーンが混じっている、あの羽先だけ黒くなってる（どうしてあのような模様になったのだろう？）やつだったりが多い。でもこの日はまさに「赤とんぼ」がじっと葉の先にとまっていて近くに寄ってパシャパシャ撮ってもぜんぜん逃げるそぶりすら見せなかった。まるで「さあ私を撮りなさい」と言わんばかりにピクリとも動かなくて、自分は被写体なのだと認識している強い意志を感じた。そんなわけで僕のiPhoneにはいろんな角度や距離から撮影した赤とんぼさんがしっかりと記録されていて、冒頭の写真はそのうちの一枚になります。鼻まで真っ赤に染まっており、ここまできれいな赤みを帯びたとんぼをひさしぶりに目にすることができてうれしかった。たぶん日本のどこかにはもっと強烈な「赤」に染まった、真紅のようなとんぼがいるんだろうな。ちなみに何年かまえに品川シーズンテラスでも赤とんぼを発見し、すごく驚いたことを覚えている。小ぶりの池みたいなエリアがあるんだけど（池の真ん中に遊歩道がかかっています）そのあたりで見かけました。僕はそのとき「おしゃれな場所にはそこにふさわしい生き物があつまるんだな」と感心してしまった。赤とんぼのほかにはシオカラトンボ（よりも水色がはっきりしていた気がする）も飛んでいたっけな。もし行く機会がある人は、ぜひあの遊歩道をわたってみてください。きっときれいなとんぼに巡りあえるはず（いなかったらごめんなさい）。そういえば池にはきりたんぽみたいな植物も生えてたな。
