あまりにもやることがない、正確にはやらなければならないことは探せばいくらでも出てくるが、そうはいってもなにも手がつけられないという日だって年に稀にではだけれどある。この日もそういう気分が朝からつらつらとつづいており、でもさいわい休日だったからソファに寝転んでネットサーフィンをしたり動画をみたり、なぜか過去の写真(スマートフォンに入っているもの)を眺めながらなつかしい思い出に耽ったりしていた。そんなわけで上の写真は何年かまえに訪れた迎賓館赤坂離宮になります。ちなみに僕は「赤坂迎賓館」という名で、いつの間にか、ずいぶん以前からその存在を知っていたのだけど、いまあらためて調べてみたら正式名称は「迎賓館赤坂離宮」だった。さて、この日はちょうど参観可能(有料です)だったのでいろんな部屋の内観を目にすることができたのだけど、それはもう見事な景観で心が震えるほど味わい深い時間だったことを覚えている。建物の敷地や外観、内部にいたるまで様々なところが荘重で格式高く、豪華絢爛で、僕は終始その雰囲気に圧倒され、眩惑され、まるでおとぎ話の世界にでも紛れこんだ感覚におちいってしまうのであった。天気も快晴で心地よく、そのへんになにげなく植えられているガーデニングの花々まで高貴に満ちあふれていた(それは紫と白の花でずらりと統一された、とあるエリアだった。たしか噴水の近くだったような気がする)。できることなら自分が死ぬまでのあいだにもう一度再訪したい場所である。あれほど煌びやかで厳かな空間に身を投じるという体験は、そう滅多にできないのだから。